「は!? ちょ、切れよ!」
「そんなこと言ったって…」
ていうかなに?
どうかしたの? てかなんで電話かかってきたこと知ってるの。
『あ、ユウキの言うことは無視していいからな。それよりマヒロ元気?』
『うん…まあ元気だけど』
『それはよかった! じゃ今暇?』
『今? 暇……といえば暇だけど、仕事中といえば仕事ちゅ…』
『仕事中! 忙しい! 分かったな!』
「……いや、なんで人の電話ひったくるの」
そして切るの。
なにそのユウキらしからぬ行動。
「どうしたの?」
「次かかってきてももう出るなよな」
「でも……もう出た」
「Σ」
『暇ならさー、ちょっとこの門開けてくんねぇ?』
『どの門だよ。いくら暇でもウィーンまでわざわざ得体の知れない門なんか開けに行かないよ』
『違うって。バンクーバーだって!』
バン…クーバー?
って…。
『ここと一緒じゃん』
『そうだよ』
いるの? こっちに?
え、嘘。

