「ね、かえくん! しゅっちゃんが足蹴にされてるこの感じ懐かしいね」
「まおたんまおたん、できれば言い方改めてくれたらしゅっちゃん嬉しいなー」
あの頃とはだいぶ変わったなぁー。
一番大きいのは、今あたしの腕の中にいる赤子だ。
こんなかわゆいものはそのとき存在しなかった。
たぶんこの子が生まれたことによって、世界の可愛いという定義は変わったんじゃないかと思う。
「もう聞いてないわよ。真顔で親バカ発揮してるわよ」
「せめてデレデレしてれば普通なのに、すごく真剣なあたりさすがだね。面白い子だよねほんとに」
「毎日ああだ」
「ああ、それは……大変だね」
かーわーいー♥♥♥
もう食べちゃいたいっ!
「激しくデジャヴだけどまあそこはおいといて。さて……車は誰が出す?」
「楓」
「楓くん」
「はい決定」
「おい」

