「ねーじゃあやわらかい人って? あ、真愛とか?」
「ぶは! 確かにやわらかいわな、赤ちゃんやからな!」
「ほら見てぷにぷにしてるの♥可愛いでしょー! あたしの娘なの!」
真愛のほっぺたをつんつんしながら自慢げに見せびらかした。
「バカなんだなほんとに」
…ら、愛する(ハズの)夫に心の底から呆れられた。
「そっかー娘かー…そっかぁー」
…しかも、なんかすごいしみじみと呟かれた。
「生命の神秘って……素晴らしいな!」
そして、あたしより自慢げに言い切った彼は、誰からもちらりとも目線を向けてもらうことすらなかった。
実に哀れである。
「哀れ…!? 哀……え、俺ってそんなに哀れけ?」
「自覚がないのは幸せなことだと思うよ」
「あんな、蓮二、俺お前のそういうとこほんま嫌いや」
「それは光栄だね。お前なんかに欠片も好かれたくはないからね」
……おおー…。
懐かしい! この感じ!

