――真裕サイド――
「ここ!? ここ!?」
「あーそうだから、ちょっとお前落ち着け」
「あれは? あれ」
「いやどれだよ」
午前11時頃、あたしはついについに蓮くんちの前!
ふっ…長かったわここまでの道のり。
「インターホンならこれだ」
「なにこのボタン押していーの?」
「押すためのものだからな」
そうなんだ!
じゃ、押す!
「えいっ」
―ピーンポーン
お……!
「おおおっ!」
「んん~」
「ちかちゃん見える? 聞こえる? すごいねすごいねーっ」
『まお来た!! 蓮二あんたそこ邪魔っ!』
おっ?
これはこれはりんりんの声だ!
「かえくんりんりんだ!」
「ん」
「はいっ。持っといて」
「いや、おい」
真愛をかえくんに押し付けるのと同時だった。

