「じゃあじゃあっ、これ! ママが作ったおくるみなんだけど、使って♥」
「きゃーすごい! 見て見てかえくん、これ作ったんだって! すごいねーすごいねー」
ああ…そういえばそういうの、好きだったっけか。
嬉しそうにはしゃいでぴょんぴょん俺の周りを飛び回る真裕を片手で押さえながら思い出した。
『かえくん! あったかいから着てごらん?』
…と差し出されたセーターは名前とハート入りだったな…とか。
『小さい子の着るポンチョって可愛いわよねーっ』
…と追いかけ回された挙げ句頭から被せられたそれは、ピンクのリボン付きだったな…とか。
今になって思えば、俺をそっちの道にでも走らせたかったのかと思うほどに乙女チックなものばかり作っていた。
「嬉しいわーもう嬉しいわー♥ なんでこんな息子なのかしらと思ってたけど、こんな可愛いお嫁さんと孫娘ができると許せるわねえ」
「およめさん! かえくんかえくん、およめさん…♥」
「……」
なんだよその締まりのねぇ顔は…。
「かえくんかえくん、これ真愛に巻いといて」
「巻くてお前」
「まお着替えてくるー!」
「……」
ハイテンションだな…今日は。
そんなに花梨に会えるのが嬉しいか?
「かえくーんお洋服どこ?」
「それだよそれ」
「あそっかぁ♥」

