瞬く間に大人しくなっていく真愛を凝視しては、恨めしげに俺を見る真裕。
そんな目を向けられたって俺は知らん。
「あー、で? なんだって?」
そういえば蓮二と電話繋がったままだったと思い出して声をかけてみると。
『あ、ああ…だからさっき花梨…』
『蓮二ー! 修平来てる!?』
『後ろや後ろ! 今来てん! まおたんらーは?』
『……』
「……」
『……うん。ごめんなんでもないよ。11時だね? はいはい待ってますよ。場所はあとでメールさせるから。じゃあね』
…さすがに少しばかり蓮二を哀れに思った瞬間だった。
「ねーなんで? なんで? あたしよりママよりなんでかえくんなの?」
「俺に聞くな」
「この子に聞いたって答えられるわけないじゃない」
「だからって俺が知ってるわけじゃねえよ」
完全に機嫌の直った真愛を見て、反対に真裕の唇はどんどん尖っていった。
「ふーんだふーんだ。いいもんね! それでもかえくんはまおの……じゃなかったちかちゃんはママのだもぉん♥」
「おい」
「それより真裕ちゃん、今日お出かけするの?」
「りんりん達に会いに行くの!」

