「もしもぉーしりんり…」


『遅いッ!!』


「んにゃΣ!? ごめんなさいΣ」


……。

遅いってお前…朝の9時は果たして遅いか?


「あのそれで今日…」


『蓮二ん家ね! 11時ね! 真愛ちゃんもね!』


「あっ切れ…切れちゃっ…Σ」


あの真裕をこうもたじろがせるとはさすがだ。

しばらく会わないうちに、パワーアップしたんじゃねえのか?


携帯を持って唖然とする真裕を横目にそう思った。


「……ねえあなた…」


「ん?」


「ところで……蓮くんのおうちって…どこ?」


「……」


「……」


知らねえな。


「どおしよお」


立ち尽くす真裕をよそにソファに向かうと、携帯が光っているのに気付いた。