「んーっとー着替えどこだっけ」
「そっちじゃなくて左」
「左? ……ってどっちだっけ」
「……left」
「あっこれか♥」
いや…呆れねえ。
今さらこの程度のことでは呆れねえ。
「あれ? なーい」
「紫の袋の中」
「むらさきむらさき……あったぁ♥」
そう嬉しそうに引っ張り出して出そうとした中身は、あろうことか下着だ。
「おい。それは向こうでやれ」
思わず眉をしかめてそう言った。
「はーい。何個入ってる?」
「あー? 六……七枚?」
「いやなんでお前が知っとんじゃいΣ!!」
俺が入れたからに決まってんだろ。
着替えやなんかまではよくとも、下着となればさすがに一瞬くらいは気にも留めたが、そのときふと真裕に視線を向けて、一瞬でどうでもよくなった。
なぜなら。
『見てかえくん、新しいの! 可愛い? 可愛い?』
…と、確かに見覚えのない下着姿で立っていたからだ。

