そして夜八時、ようやく食事を始めることができたものの。
「かえくんお箸わかんない」
「こう」
「え? なにどうなってんのその指」
まあ海外育ちだからこのくらいは目ー瞑ってやるか。
なんせ真裕だし。
「ほら、持ってみ」
「んー……指絡まりそう」
「真裕ちゃん、一本ずつやると分かりやすいわよ」
「どう? こう?」
これはあれか?
数年後真愛にするであろう練習のリハーサルか?
思わずそう感じずにはいられなかった。
「ああ、いいなぁ…若い女の子が家にいるって…♥」
「…変態親父…」
「いーじゃないかいーじゃないか義娘なんだからあ!」
「余計変態だ」
「確かにΣ」
いや納得すんのかよ。
「見てかえくん、持てた!」
「そのままこれ掴んでみ」
「え……っとどうやって?」
「……」

