「そっかーかえくんももう二十歳だもんね。私も年取るわけよねー。だっておばあちゃんだもの♥」
「ママ、似合わない! 真愛のお母さんでも全然おかしくないよ」
「キャーッ♥♥ やぁーだもう真裕ちゃんたらあ♥」
まあ……確かにぽくはないが。
それでいったらお前も全然母親には見えないから安心しろよ。
喉まで出かけた一言を、グッと飲み込んだ。
「かえくん、ちかちゃんお腹すいたらなんとかしといて」
「いやそれだけは無理だろΣ」
「マジで!! かえくんにもできないことってあったの!?」
真顔で言うなや…。
本気に聞こえるだろ。
…いや、まあこいつの場合百パーセント本気だけども。
「んにゃっ…ふにゃああぁーっ」
「お、おい楓。女の子ってどうやってあやすんだ?」
「いや、あやし方に男も女も関係ねえだろ。…真裕、さっそくだ」
どうやら真愛が求めているのは俺ではないらしく、抱き上げても泣き止む気配はなかった。
エプロンを受け取りかけていた真裕に伝えると、「ごめんあそばせ」とどこか間違った一言をかけてこちらへやってきた。
「んよちよちよちいい子ねーさ、おいで♥ ママでちゅよ~っ」

