ママまで普通に抱えて持ち上げたんですけどΣ!
え…あたしがすごくなさすぎるだけ?
「玄関でおろおろしてんな。入れねえよ」
「あっかえくん」
荷物はこれで全部か。
はーやっと着いたって感じぃ♥
「あー疲れた」
呟きながら横切ったかえくんのあとに着いて行った。
「真裕ちゃん、真愛ちゃんここに寝かせたら大丈夫?」
「あっ、はーい!」
「んにゃーあーっ」
「あらやだっ泣いちゃったわ」
さすがママだ。
少しも慌てないね。
下ろしかけた真愛をまたすぐに抱き上げるママを見て、おおーっと声を漏らす。
「ママっ、ママっ」
「ん?」
ちょいちょいとかえくんを指差して、真愛を渡してみてと合図すると、不思議そうな顔をしながらもママはかえくんに押し付けるように渡した。
「んーんー…」
「…や、なんだよ急に」
「いやーぐずったときはあなたが抱っこするのが一番だから」
「まーっ♥♥ おとーさんおとーさん見て! やあーだ楓がすっかりパパになっちゃってもー♥」

