「ところで楓は?」
「恐らくキレ気味に荷物を降ろしてます」
「あらま」
琥珀達を下ろして、「いい子にしてるのよ」と声をかけ、一応かえくんのもとへ戻ってみた。
「まお、それとこれ先に持って入っとけ」
「にゃっ!」
びっくり!
後ろからそっと覗いてただけだったのに当たり前のように声をかけられた!
どうやらあたしがすぐに戻ってくることくらい、お見通しだったようだ。
「これ?」
「ん」
重くて持ち上げられないので、仕方なくずるずる引きずりながら持って入った。
「んっしょ…」
かえくんすげー!
こんなもん、軽々と片手で持ち上げてたんだ。
「よっこいしょ!」
「あらら真裕ちゃん! 大丈夫?」
「大丈夫♥」
これはあたしのものが全部入ってる。
要するに一番重いだろう。
「あそこらへんに置いときましょうか」
「ありがとう……ってうそんΣ」

