「じゃちょっと持ってて」
畳…もうとしたものの、両手に真愛を抱えてたんじゃかなわない。
半ば強引にかえくんに押し付けてすぐ気付いた。
「畳んでぇ♥」
「……」
呆れ顔をしながらも、かえくんは真愛を片手に抱えたままひょーいっと車の中にまで入れてしまった。
「おおー」
「いやーちょっと今お父さんみたいだったわね♥」
「みたいってかまあ、一応お父さんだからな」
「そっかぁ…楓もお父さんかー」
お父さんお父さんと連呼するママ達をよそに、かえくんはあたしに真愛を渡して、早々に車に乗り込んでしまった。
「お義母さまお義父さま、本人乗りました」
「あらやだっ」
「お前助手席な!」
「じゃ真愛ちゃんも一緒に…」
「それじゃあ意味がないではないかあぁぁっ!」
「あの…どうぞお二人で後ろに……。ほら、真愛も」
「真裕ちゃん太っ腹ぁ♥」
「確かにちょっとお腹周り太ったかも!?」
「二人とも間違いΣ!!」
「おい……なんでもいいから全員さっさとしろや」
キレ気味なかえくんの声に、あたし達もようやく乗り込んだ。
「キャーキャー♥! かえくんかくん、まおこの席初めて!!」
「ああそう」
「ッキャーッ♥!! こんなかえくん見るの初めて♥!」
「そうだろうな」

