というか場所も言ってないのにどうやって来るつもりなんだろうか。
根本的な疑問を感じたものの、あまり深く考えないことにした。
あの母親は考えるだけ無駄な人間だ。
「あっそーうだ」
おもむろに鞄を漁り始めた真裕。
探し物だろうが、探し方が下手だ。
「んーっと……あっ、あった!」
そう言って取り出したのは携帯。
「なにす……」
「あっもしもしりんりん?」
早いわΣ!
「うん♥ あ、ありがとー。それでねーあたし今どこにいると思う? え? かえくんの腕の中? それは素敵すぎる! ちょっと行ってく……おっとぉ…あーうんカナダじゃないよ」
…おもしれぇなぁ。
こいつ端から見てるとこんな面白いのか。
『え!? 日本来てんのマジで!?』
「……かえくぅん耳がいたい」
「花梨に言え」
「にゃああ~っ」
「かえくぅんなんでうちの子の泣き方こう可愛いの?」
「お前が親バカだからだ」
「バカなの!? まおバカなの!?」
「そこは改めて気付くとこじゃねえよ」
「そうなの!?」
『こら! まおーっ!?』

