―――……
「まお、そろそろ起きろ?」
あと数十分ほどで着こうかという頃、真愛をあやしながら真裕の頬をつねってみる。
結局一度授乳に起きたきりだったな…。
「……いひゃいれふ…」
「はよ」
「起こし方ってもんがあんでしょちょっと。仮にも愛する妻に対する仕打ちですかこれが?」
唇を突き出して不満げな顔をする真裕の目の前に真愛を突き出してみると。
「もうちょっとこう愛………まーちかたん♥♥♥ おはよう久しぶりねっ。どちたの泣きそうな顔しちゃってー」
…ふっ……単純。
そして親バカ。
「降りる準備しとけよ」
一応そうは言うものの、どうせ要領悪くて出来ないだろう。
「聞こえてるからねΣ!?」
「そのへんの真愛の、しまっとけ」
「やーだなんでこんなに散らばってんのかしら」
「お前が出したんだよ。起きてた一時間ほどのうちに」
「え…? 嘘?」
「なんでΣ」
嘘?って聞くのはおかしいだろうがよ。