――シュンサイド――
「……俺はなんで連れてこられたんだ」
「知らねェが…ここは素直に従っといたほうが身のためだぜ」
「……」
まあユウキの言うことも最もだ。
帰ってくるなりつかまって引きずり込まれて、そのくせ放置だからな俺達は。
無言でパソコンと資料に向かう楓のすぐそばに、俺とユウキとアッシュは何をするでもなくぼけっと座っていた。
『大変そうだな、それ』
『別に』
アッシュの渾身の一言をそっけなくかわしてしまう楓は、真裕の言ってた通り体調が思わしくないらしい。
なぜなら…。
「……あ"? どっから出てきたんだよこの数は」
「いやあんたがしたんだろ」
「くっそ……」
上の空で打ち込んだらしい数字を二度見して、勝手にキレていた。
やめりゃあいいのによ…。
「大丈夫かー」
目元を押さえて資料を無駄にパラパラめくる楓に声をかけてみるも、返事はない。
「…っまお……」
「ん」
かと思えば…俺達にさえようやく聞こえるくらいの声の大きさで、真裕を呼んだ。
だいぶ離れている真裕に聞こえるはずがないため、呼んでやろうと向こうを向くと。