電話を切ってみんなのもとへ戻ると。
『あ、なんか見たことある光景だと思ったら!』
『赤ちゃんをマヒロに置き換えたらいーんじゃない♥』
『あっ、なーる♥ それは見たことあるはずね!』
「……」
娘なのに。
かえくんが抱いてんの娘なのに。
そしてあたしは妻なのに。
『違うもん真愛がかえくんになついてるだけだもん。早くもお父さんっ子なんだもん』
『カエデラブなところも似てるのね』
……。
…まあね。
すとんとかえくんの隣に座り、おでこに手のひらを引っ付けてみた。
「ふ…ん。下がった」
薬が効いてるのか、今はそんなに熱がある様子はない。
「ん? 楓どうかしたのか」
「いやそれがこの人昨日から熱出しちゃって。究極の強がりだから昨日も見栄張って、仕事行くために嘘ついて学校行ったのよ」
『えっそうなの?』
「そりゃタイミング悪い時に来ちまったな」
「そう思うなら連絡の一つくらいしやがれ」
「……そらそうだ」
シュンらしくないわ、そのボケ方。

