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『いやーマヒロがしっかりママやってるもんだからもーびっくりしちゃって』
『ねーねーそういえばカエデは?』
『まちかちゃあん♥ こっち向いてこっち向いて♥』
『お前さん一回鏡と見比べた方がいいぜ。そっくりだ』
『あれっ。そういやユウキもいないじゃん。あいつは学校あんの?』
…なにこの自由加減。
あたしどれにどう反応したらいいの?
どさくさ紛れに真愛も半泣きなんですけど。
この場合とりあえず娘でいいのかしら。
『あー…荷物、そのへんにまとめといたら? あと声のボリューム下げようか。ちなみにあの人は寝てるわ。ユウキは学校よ』
『まだ寝てんの? もう昼じゃーん』
『いやだから、それはね…』
―チャッ…
「あっ」
かえくんが寝込んでいることなど露知らないみんなは、いつも通りにはしゃぎまくり…そのせいか、ベッドと仕切っている扉が開き、かえくんが出てきた。
「あなたもういいの?」
「寝てられるか。なんだこいつら」
「知らない」
前髪をかきあげながらこっちにくるかえくんは、やっぱりまだ体調がよくはなさそう。
『カエデあんた…色気増したんじゃない?』
『褒めてんの? バカにしてんの?』
『褒めてんのよ』
『そう…なの?』

