珍しく突っ込みに回っているアッシュは、当然のごとく荷物持ちにされていて。
フラフラと覚束ない足取りで何歩か後ろを必死でついていっていた。
『お前のキャラも大変だな』
『キャラ!? キャラなのかこれ!?』
知らねェが。
『マヒロ達の部屋、どこかしら』
勝手に結局中まで入り込み、キョロキョロと辺りを見回すハディ。
『やるな、お前さんら』
いいのかよこんな簡単に侵入許して…。
まあ、今回の場合内通者(またの名をユウキ)がいたからってのもあるんだろうが…。
『広すぎるわよここ! ねえ前来たときどこだったっけ?』
しびれを切らしたメイリーが、俺に詰め寄った時だった。
『んっぎゃあぁぁ! にゃあぁぁっキャーーッ!』
『!』
『もしかして…』
僅かに開いたままだった一つの扉の中から、赤ん坊の泣き声らしき叫び声が聞こえてきた。
そしてあろうことか、メイリーのヤツはその扉を迷うことなく開けやがった。
『はいはいはい、ちょっと待ってねー真愛!』

