――シュンサイド――
『どこどこ?』
『ユウキから奪い取った情報だとここをこう……』
『あー! …って奪い取ったて相当無理やりだなΣ』
『だってあいつ素直に吐かないんだもの』
不満げなリジュに一言言いたい。
そりゃ当然ってもんだ。
誰が藤峰家のセキュリティー情報をそう簡単にぺらりと吐くものか。
あとがこえェ。
…そう。
俺達は今、藤峰夫妻第二邸inカナダ…の、前にいたりする。
二週間ほど前、突如ユウキからなんの脈絡も説明もなくどうみても産まれたばかりの子供の写真が送られてくるや否や、なぜだかうちに集まってきた連中はこう宣言した。
『マヒロの赤ちゃんついに産まれたのよ!? これは見に行かなきゃ!! そうと決まれば出産祝い買いに行くわよっ』
決まってねェうちから買いに走り、ほんとに決めちまった。
幸いというべきか、うちの学校には秋休みというものが存在する。
なんともいいタイミングで都合よくやってきたその休みを利用して、はるばるウィーンからカナダへと飛んできたってわけだ。
『シュン早く行くわよ! ユウキからもぎ取った情報によれば、今日カエデは休みらしいし』
『いやもぎ取ったてこれまたかなり強引だなΣ!』

