――真裕サイド――
「よーしよしよしいい子ねぇー♥」
二週間毎日していると、おむつを替えるという作業にもだいぶ慣れるものだ。
このあたしにできるのだから、きっと誰にでもできるんじゃないかと思う。
「自分で言ってて悲しくならないのか?」
「ううん特に。…野木さんもう窓閉めていいよー」
車の中なので、窓を開けてもらっていた。
終わったからもういいよね。
「かえくん大丈夫?」
車に揺られて十数分。
気が抜けたのか、かえくんは心なしかぐったりした様子で目を閉じていた。
「ん……」
「大丈夫じゃないって! どうする真愛っ」
ぺたっと首筋を触ってみるといつもより熱い。
やっぱり熱があるんだわ。
「体壊したら元も子もないんだから、無理しないのっ。分かった?」
「あー…」
「真愛に対する扱いともはや一緒じゃん」
「同じくらい愛してるってことよ♥」
「いやそれとこれとは別問題だろΣ」
素直に返事したかえくんに満足し、今日明日はゆっくり休ませられると思っていた矢先。
翌朝あたし達を待ち受けていたのは、到底休める状況ではなかった。

