秘密のMelo♪y⑦*完結編㊤*


実はあたし……母様の会社、MACOTOの社長代理を務めることが決まった。

今まで空席で、重役達は大変だったみたい。

だけど勝手に社長を決めることもできず…かといって、バタバタしてたあたし達に相談もできず。

どうしていいか戸惑っていたらしい。


今代理という形をとっているのは、あたしに来る仕事の量を減らすため。

子育てが一段階着くまでの一年少しほどは、副社長やマネージャーなんかに出来るだけ任せることになったの。

藤峰家としての公務もしばらくは全部父様が。


とはいえ少しは仕事があるわけ。

今日は朝からかかりっきりだったんだけど…かえくんはそれが気になるらしい。


「あんま根詰めんなよ?」


心配そうにそう言う彼がなんだかおかしかった。

本当に心配性なんだから…。


「ほら。これで終わりだから」


「ん…」


「ふふっ。これじゃあなたが産まれたときが心配ねー。きっと『嫁にはやらん!』ってやっぱり言うわよ」


「あのな…」


だいぶ大きくなったお腹に語りかけたら、かえくんは呆れた顔をした。

そうそう。

お腹の子は女の子だったんだよ。

それが分かった時のかえくんといったら…。


「…無駄にならなくてよかった…」


…って。

今までに買ったお洋服を見てそう言ったの。

もっと違う反応を期待してたのにー。

ほら、娘だ❤って喜ぶとかー…男の子も欲しかったなーなんて言ってみるとか…。

第一声が「無駄にならなくてよかった…」だもんね。

なんの心配してたんだよ。みたいな。