そんな真裕に怒りの色を感じ、しまったと思った。
「その様子だと、もうこれから帰るみたいね?」
「あー……そう見えるか?」
「見えます。ちなみに野木さんに車を頼んだら、『ちょうどこれからお迎えに上がるところでした』…って言われましたけど?」
「……へぇ」
「あなた昨日、今日は夕方までって言ったわね。今何時?」
仁王立ちで迫ってくる真裕に、思わずたじろいだ。
「な・ん・じ?」
「…一時?」
「そうね一時ね。一時って夕方だったの? いつから? なに、あなたの中では一時は夕方だと? あなたこれからどこ行くつもりだったのっっ!」
…最終的にキレて怒鳴った。
こう本気な真裕は久しぶりだ。
「お、奥さん…?」
「藤峰真裕…?」
「てか…つ、強い」
「まひ…」
「言い訳しないッ」
「何も言ってねぇΣ」
「昨日から体調悪かったんでしょ。伏線張ってたんでしょ。行かせるかッ」
ギラッと睨むとそう言い、俺の手首をつかんだ。
「あのっ…お、奥様ですか?」
「え? …誰?」
「気付かれてなかったΣ!」

