――楓サイド――
「……あのさ、あんたほんとに大丈夫なわけ?」
「……あ? なにが」
「いや、朝より目付き悪く…じゃなくて顔色悪くなってるけど」
「ユウキくん、今目付きって…」
「学校くらい休めばよかったのに」
「今日は昼から仕事があるんだよ。直接行くでもしねぇと、真裕が許すわけねぇだろが」
「どういう策略だΣ チクるぞΣ」
いや、それはやめろ。
あいつのことだ…間違いなく追ってくる。
そして三時間くらい説教だ。
「意外と恐妻家なの?」
「てか藤峰真裕ってそういうキャラなの?」
「まーここ最近徐々に立場が逆転しつつあるかな」
「へぇー意外。すっごい亭主関白そうなのに」
「いや女房にはめちゃくちゃ甘いから」
「マジで! 見たい超見たい!」
目を輝かせながらはしゃぐ結美という女の声がいつも以上に頭に響いて、思わずこめかみを押さえながら眉をしかめた。
「今日、講義昼まででよかったね」
「明日は逆に昼からだし」
「今日も明日も仕事があるっつってんだろ」
「…大変ねぇ…藤峰家」

