―コンコンコン
「失礼いたします」
「はーい」
「おはようございます真裕様。朝食をお持ちしました」
「ありがとう。今真愛がご飯だからちょっとそこに置いといて」
「あらっ。それは失礼いたしました」
授乳という作業がこんなに大変だなんて知らなかった。
あたし自身も、栄養をたくさん摂らないといけないし…。
「楓様はもう?」
「そうなのぉ…。初めて寝坊するし、顔色は良くないし、食欲もないっていうし……絶対体調も良くないと思うの」
「まあ……それはよろしくありませんわね。ご無理をなさっているようですし…」
坂本さんから見ても、あの人は無理をしているらしい。
やっぱり、明日こそは休ませよう。
「今日のお夕食は、楓様のために栄養たっぷりの食べやすいものをご用意いたしましょうね♥」
「ありがとう坂本さん♥」
赤子片手にクロワッサンのサンドをかじった。
「んまっ。たまごんまっ」
「恐れ入ります」
帰ってきたら見てなさい?
ずぇっっっったいにパソコンも資料も触らせないわ。
ベッドの中に押し込んでやるんだから。
「真愛たんいい子してようね♥」

