自慢げにユウキに言ってみると、「あんたの頭で理解できるって、なにこいつそんな単純なの?」となんとも失礼なことを口にしやがったので、真愛に恐怖を与えないよう笑顔のまますねを蹴ってやった。


「いっ…! いって…!」


「こら。手は出すな、手は」


「足だもぉぉん♥」


「……」


「Σ ごめんなさいΣ」



「なになに君誰? え? 何語?」


『ドイツ語!!Σ パパも分かるんでしょ!? てかなんでユウキの携帯にパパが出るの?』


ああ…あっちでもまだやってる。

父様の餌食になってるかわいそうな子は、声から察するにメイリーだ。

なんせ、スピーカーではない様子なのに怒鳴り声がここまで聞こえてくる。


「それより聞いてよメイリーちゃん。昨日ね、僕の孫が生まれたんだよ! いいだろーいいだろー♥」


『やっぱりそうなのね!? マヒロッ…カエデでもいいや! マヒ……シュンーっ! リジュ……あ! ここ家だった! ハディハディ! シュンの家に押しかけるわよッ』


よく叫ぶなー…。

しかも押しかけるんだ…これから。

がんばってシュンっ。


「あり。切れちった」


「これからシュンの家に押しかけるそうだから、父様なんかの相手してらんないのよ。…ね♥」


あら…もううとうとしてる。

この子ったらほんとにすぐ泣き止むのね。


「いい子だわぁぁぁ…♥」


なにかしら、あたしに似たのかしら!