「んっぎゃーっ! うみゃああぁぁっ…」
「あっ泣かした!」
父様のばかが騒々しく飛び込んできたものだから、せっかく眠っていたこの子が起きちゃった。
しかし当然……あたしは、赤ちゃんなんてあやしたことなくて。
「え、えとえと……よしよしよし泣かないで? 怖くないわよ、ね?」
「んにゃっ……」
「……かわいいぃぃぃ」
「ま……まおたん?」
どうしようどうしよう。
我が子ってこんなに可愛いの?
「はっ! 今のうちに写真を撮っておかねば、そのうちこの人のように断固拒否されるようになるかもしれないわ!?」
「いや色々とずれてんだろ」
「あの…ま、まおー…」
でもその前に名前かしら…。
いやいや、写真も捨てがたいしー。
「写真は別にいつでも撮れるだろ」
「そおそお! だからね私が…」
「そう? じゃあちょっとなま…」
「だから聞きたまえ貴様らァΣ!!」
……チッ。
「舌打ちをすなΣ」
「なあにー?」
「ふむ。私の孫の名前、考えてきた」

