――真裕サイド――
「まあ別に経緯は聞かないから。説明しなくていいから。その代わりこれからどうするつもりなのか言いなさい」
「あっ…は、はいっ。その…すぐに警備班を手配はいたしました。間もなく到着する予定です。川内の班を手配いたしましたので大丈夫かと…」
「なにそれ川内って誰?」
「は!?Σ ふ、藤峰家警備班の責任者にございますが!Σ」
「そんなのいたっけ」
「そんなのまであんのか…」
あーなんか。
聞いたことあるような気がしてきた…ような気がする。
「それでその…万一の場合人の出入りが出来なくなりますので、みわ先生にも来ていただこうかと…。ユウキ様の学校にはこちらから連絡をさせていただこうかと」
「え、俺も行けないの?」
「そうよ」
「マジか…」
ふ…ん。
それなりにちゃんと考えてはいるんだ。
まあそういうことできなきゃうちにいる意味ない人間だからねこの人。
神崎家と野木家の使用人は、うちでは結構権力者なんだ。
こうやって他の使用人を遣うこともできる。
「それでは大変失礼かと存じますが、手配等して参りますのでこれで…。本当に、申し訳ございませんでした!」
土下座くらいの勢いでそう言うと、神崎ことお兄ちゃんは中庭から外へ続く道へと消えて行った。
「…どうしようかねぇ…」
「まだ分かんねえんだろ?」
「まあねぇ…」
「…なんも起きないほうに賭けるしかねぇな」

