そう宣言するや否や、あっという間に去って行った真裕父。
俺はといえば、なんのことやらさっぱり分からない状態。
「安産祈願…?」
……あ。
もしかして…。
その言葉とここの人達の様子から一つの可能性に思い当たった。
「生まれんのかな…」
たぶん、そうだろうな。
そういえば見覚えのない車が来客用の駐車場に止まってたし…たぶんドクターだろうな。
「つーかほんとに行ったのか? 祈願に…」
どこ行くつもりだろう。
どうでもいいことを考えながら、とりあえず部屋に戻ることにした。
―カーンッ
「え"」
『あーっ真裕ちゃん! それ投げちゃったの!?』
『触んないでよッ!』
「……」
いや…何が起きてんだよこの部屋…。
ちょうど部屋の前を通った時にそんな音と声が響き、思わず一歩離れた。
「あらっユウキ様。先ほどは失礼いたしました。なにかお召し上がりになられますか?」
「あ、いえ…大丈夫です。それより真裕…」
「はい。四時間ほど前に先生がいらして…」
四時間も?
……って…長いのか短いのか…。

