――ユウキサイド――
「おかえりなさいませユウキ様。申し訳ありませんが失礼いたします!」
「え? はあ…」
なんだ?
坂本さんらしくないな…なんだあの慌てよう。
学校から帰ってくると、頭だけ下げて小走りに去って行った坂本さんを見て不思議に思った。
そういや、野木さん今楓の出張に行ってるはずなのに車があったし…なんかあったのかな?
考えながら、借りている部屋に向かう途中…真裕達の部屋の付近で、ちょっと久しぶりな強烈な顔を見つけた。
「あれ、どうしたんですか?」
「おおっ、君はユウキくんではないか!」
「は、はあ…」
いつにも増してまた……なんだこの人。
それはもちろん真裕父なわけで、いつにも増して落ち着きがない。
しかも今どさくさまぎれに坂本さんが横切ったし。
「どうかしたんですか?」
「うんっ、それがまだなんだ!」
「は?」
いや、まだってなにが…。
「今から安産祈願に行ったんじゃ、遅いかなあ!?」
「はあ?」
「いやっ、僕は信じるよ! ちょっと行ってくる!」
「……はあ?」

