秘密のMelo♪y⑦*完結編㊤*


とりあえず電話してみるか。


そう思って、すぐにかけるも…なかなかでない。

ただ無機質なコール音が鳴り続けるだけだ。


おかしい。


瞬時にそう感じた。


「あの…すいませんがちょっと戻ってもらっても?」


「は……いかがなされましたか?」


「真裕がどうかしたかもしれない」


「真裕様が? ど、どうかというのは…」


「いや…分かりません。ただ、妙なメールがきたかと思ったら電話に出ない」


出られないのか?

なぜ?

まさか倒れてるんじゃ…。


そう思い出すと、冷や汗が伝った。


「急いで引き返します」


焦ったような野木さんの声が、さらに俺を焦らせる。


ここまで来るのに、大体三十分ほど車を走らせた。

帰りは二十分とかからなかったあたり、さすがだ。


「一応ここで待っといてください」


「御意にございます」


心配そうな野木さんを残し、小走りに部屋へ向かった。


途中、家に電話すればよかったんじゃないかと気付いたが、よく考えればここの回線は多くて、どこがどこに繋がるのかいまいち把握していない。


どちらにせよ無理だったな…ユウキのやつもいないし。


そうしているうちに部屋の前まで着き、「まお?」と声をかけながら入った。