「はー……」
なにも起きずに、どちらも無事であることを祈るしかないな…。
「楓様?」
「え?」
「お疲れですか?」
「ああ、いや…ちょっと考え事を」
「あまり根を詰められては、真裕様に叱られてしまいますよ」
「はは…」
確かに最近のあいつ、どうも強いからな…。
……成長したんだなぁ…。
「……なんでこれから娘に感じるはずの成長を、その前に妻に感じなきゃなんねんだ」
ある意味で伸びしろありすぎだろあいつ。
まるでスポンジのごとく色んなもんをどんどん吸収してってんぞ。
普通そういうのは小学生くらいまでには終えるだろ。
……なんて、なんともしよーもないことを延々考え続ける俺は真裕バカなのか、はたまたただのバカなのか…。
そこは考えないことにした。
-ピリリリ…
「あ?」
真裕? …メール?
『かえく0tたなケテイ太鼓』
「…………は? 太鼓?」
つかなんだこの文章になってねえ日本語かどうかも怪しいこれは。
一瞬なにかふざけてんのかとも思ったが、少し違和感を感じた。
あいつは滅多にメールなんかしないし、まして俺はさっき家を出たばかりだ。
まだ別れて一時間と経ってない。
なんとなく……嫌な予感がした。

