『はい。御用でしょうか?』
「お昼ご飯はなーあに?」
『はΣ? ま、真裕様?』
とても素っ頓狂な声だ。
実に、坂本さんらしくない。
「フレンチがいいなぁ」
『あ、は、はい。承知いたしてございます。…確かユウキ様のお部屋の番号だったような…』
ぼそっと呟く声が聞こえて、「そうよ」と伝えてみるとまたもや素っ頓狂な声で驚く坂本さん。
今日はどうしたのかしら。
なんか面白いわ。
『ではユウキ様のお部屋に?』
「そうよ。三人分ちゃんとね」
「待て待て待て! それはなにか? ここで飯食うつもりか?」
『かしこまりました。少々お時間頂きます。それでは』
「はーいお願い❤」
よし。これでオッケー。
受話器を置いて小さくガッツポーズ。
「…じゃねえよΣ! 帰れよΣ!」
「やーねここがうちなんだからこれ以上帰りようがないでしょ」
「部屋に戻れっつってんだΣ」
んー……。
「なんで?」
「……」

