「おい……誰だよこいつに余計なこと覚えさせたの」
「花梨(と愉快な仲間達)だろ?」
「いやあんただろ。結果あんただろ」
「あのな、考えてもみろ。俺は一年以上ほぼずっと一緒に暮らしてる状態だったのに、その間手出さずにいてやったんだ。十分だろうが」
「いや確かにそれは十分だけど。要するにヘタレなんじゃないの?」
「あ? テメもっぺん言ってみやがれ」
「何度でも言ってやるよヘタレ」
「ほー…? じゃあ二度と言えねえようにしてやろうか?」
「…仲良きことはー美しきかなー」
「別に仲良いわけじゃねえよ」
「別に美しくねえよ」
いやん。
息ぴったりー。
ほんと、なんだかんだ言って結局仲良しだよねこの二人。
でも二人とも意地っ張りだから絶対それを認めないんだよねぇー…。
「…ふふふふふ」
「気色わりぃな」
「真顔で言われると、いくら旦那でも結構傷付くって知ってた?」
「そりゃ知らなかった」
「あらそう。じゃ覚えとくといいわ」
「努力しよう」
さてと、そろそろお昼ご飯の時間だわ。
坂本さんに頼まなくっちゃ。
よっこらしょと立ち上がり、ユウキの部屋の電話を手にした。

