――真裕サイド――
「……おい」
「かえくーん赤子が蹴る」
「蹴るっつーより突っ張ってんな」
「なんでこう乱暴なのかしら。父親が父親だからかしら」
「おいコラそりゃどういう了見だ」
「…おい」
「最近よくお腹が張るんだけど産まれるのかしら」
「俺に聞くな。みわ先生に聞け」
「その手があったか!」
「それしかねぇだろΣ」
「いや、おいあんたらなんなんだよ! そういうのは自分らでやれよなんで俺の部屋に来て用もなさげにしてんだよ!」
あれから一週間が経った。
あたし達は、というかあたしは、かえくんを引き連れてユウキの部屋に押しかけていた。
といっても暇なので、勝手にソファにゴロゴロ。
かえくんはそのそばに腕を組んで立ち、ソファに軽く体を預けている。
そのまあ様になることなること…!
「だって実際暇なんだしー仕方ないじゃない」
「ここに来たって変わらないんなら来るなようっとうしい。自分たちの部屋でせいぜいいちゃついてろよ」
「いやあねユウキったらこれを見なさい。どう見ても赤子入ってんでしょ。そろそろ産もうかっていう妊婦にそういうのはちょっと…」
「違うΣ!! 誰がんなもん推奨するかΣ!」
「あら違うの」

