―ルルルルルッ…プルルルルッ…
「うん？」
がーんっとショックを受けた瞬間、そばにあった受話器が鳴り響いた。
この電話は坂本さんからの直通だ。
「はーいどしたのー？」
『お、お嬢様っ…ど、どうしましょう！』
「なになにどうしたの？」
珍しいな…。
こんなに焦るなんて。
『も、もしかしたらこの別宅の場所が漏れてしまったかもしれぬと神崎様からお電話が…！』
「はあ？」
「ワントーン下がったぞ声が」
『どういう経緯なのか…詳しいことは分かりませんが、その場合数時間以内には記者が来るはずと…』
「……神崎ィ!! クビにしてやる!! 今すぐここに呼びなさいっ！」
『は、はい！』
「人格変わったぞかなり」
もしそんなことになってみなさい、即クビだからね！？
「ちょとッ！ 神崎まだ！？」
「今呼べっつったばっかだろ。つかなんだ、どうした？」
「だってあいつヘマしたのよ、ここばれたかもっていうのよ！？」
「よしクビにしろ」
「はえーよ！Σ」
なんのために…！ なんのためにあたしが今ここにいると…！
