「でも……あたしんこと、殺したいくらい恨んでるんだね…」
どうしてだろう。
突然うちを出て行って以来、連絡はおろか消息すら分からなかった。
そこまで恨まれることなんてないはずなのに…。
軽く俯いたあたしの頭に、あったかいかえくんの手が置かれた。
「……ま、あんま根詰めて考えんなよ」
「うん…」
そういえばそろそろ赤子を産まなきゃなんだわ。
他のことでもたもた考えあぐねてる場合ではなかった。
あたしにはこれからまもなく、人生最大のイベントが待っているのだった。
「……忙しいなあたし」
「お前はたぶん生まれてこのかた年中忙しい」
「……」
…んまーとりあえず父様に任せよう。
また何かあれば言ってくるだろうし…ユウキのことも。
「とりあえず腰が痛いんです」
「またか」
「しょうがないよねお腹が重いんだから」
「ほらおいで」
そう言って手招きをするかえくんのもとへ近寄った。
最近腰が痛くなることが多くて、そしたらかえくんがいつも撫でてくれるの。
別にマッサージとかそういうんじゃなくて、ほんとにただゆっくり背中からずっと撫でてるだけなのに、不思議と和らいでいく。
「…愛ね!?」
「はいはい」

