秘密のMelo♪y⑦*完結編㊤*


ー真裕サイドー


「ハア……」


「? …あ、甘いよこのみかん。食べる? はいあーん」


「いやまだ食べるとも食べないとも言ってねえよ」


「ほら早くぅ」


「……」


まったくどうしちゃったのかしらこの人ったら。


さっきから小難しい顔しちゃってさ、差し出したみかんなんて上の空で受け取るから、受け取ったそばから紅葉に奪い取られてる。

しかもそれに気がつかずにいるみたいだし…。


「かえくぅん?」


「お前さ…ほんとに意味分かってんの?」


「なにが」


「てめさっき自分で言ったろうがああ?」


「んにゃ!?Σ かえくんが怒った!」


そりゃあわかっていますとも。


だけどさ…あたしたぶん、分かってた。

想像ついてたんだとおもうな。


父様にそのことを言われて、とっさに思ったのが「やっぱり」だった。

自分でも驚いたよ。

だって自覚はなかったもの。


彼のことなんてそう何度も思い出したりしてすらなかったし、第一そんなに恨まれる覚えもなければそんな人でもなかった。

だけど……。


「あたしと武藤真緒が一致することができて、そもそもあたしが日本にいることも知ってて…って人、そういないから。彼なら納得って感じかな」


ショックじゃなかったわけではない。

十年も前のことだし、あんまり覚えてないけど…少なくとも人を傷付けたりするような子じゃなかった。


最初の落書きなんかは納得できる。

なぜなら彼は非常にユニークな性格というか、あっけらかんとしていてひょうきんだった。


「まあ一言で言えばバカって感じ?」


「……」


だからあれはやりそうだなって思うわけ。