「…我ながらよくついていってるなと感心する」
「旦那さんが『俺についてこいッ』って言うもんなんじゃないの?」
「会話と思考にだバカ」
そんなに難しいことじゃないと思うなー。
だって夫婦❤だから?
通じ合うものだと思うの…!
「浸ってるとこ悪いなまおや」
「い、いつの間に…」
「あらやだ父様じゃないの」
あたしが目をキラキラさせていると、それを台無しにする声が聞こえ…振り向くと、案の定父様の顔。
「相変わらず神出鬼没だな…」と呟くかえくんに、密かにあたしも同意だ。
扉が開いた音も聞こえなかった…。
「で…どうしたの?」
いつもなら、突然出てきた父様にこんなことは聞かない。
だけど…表情が、違った。
いつもの、“あたしの父様”じゃなかった。
世界が知る…“藤峰洋平”の顔をしている。
瞬時に、なにかあったと悟った。
そしてそれは、かえくんも同じなようだった。
「実はな…お前に報告しなければならんことがある」
「うん…?」
そう言って、あたしの左腕をゆっくりと指差す父様。
思わずそこへ視線を落とした。
「その、怪我」
…そして次に、かえくんを見つめ。
「君の体中に残る傷跡」

