飛び上がって喜びたいのをなんとかおさえ、含み笑いを浮かべた。
…のに。
「…なんか当たってるんだが」
「…娘の手よ。いやあね」
あたしは笑みをこぼすだけにとどめたというのに、我が子はというと絶妙なタイミングで大はしゃぎ。
最近は手足をにょーんと伸ばすと、その形が外から見ても分かるようになった。
あたしがかえくんに引っ付いてるから、お腹越しに彼の体に触れたらしい。
「お…手の形か?」
「そうだねぇ」
「ちっせえな」
「そりゃあねぇ」
あんまり大きかったらあたし、腹ん中に抱えてなんかられないよ。
「…人の体の内側から手が見えると、なんか気持ち悪いなおい」
「気持ち悪いとか言うなよ我が子に」
そりゃ最初はあたしだってギョッとしたけどさ。
可愛いじゃないか。
形も分からなかったのが、こんなに人間らしく育ってる。
そう思うととても嬉しい。
「どうしようかなーお父さんっ子になったりしたら…」
「どうってなにが」
「だってかえくんはあたしんの…!! …じゃなくて娘はあたしんの!」
「……」

