秘密のMelo♪y⑦*完結編㊤*


―――……


「お帰りなさいませ。…あの…真裕様が…」


家に着くなり困惑顔で坂本さんが言ってきた。

この人が挨拶も疎かにするってことはよっぽどだ。

仕方ねえ…行くか。


少しだけ覚悟を決めて、部屋へと向かう。


「お、お気を付けてくださいませねっ、楓様!」


「気を付ける?」


「はあ…その…」


言いづらそうにする坂本さん。

不思議に思いながら…扉を開けた。


「……」


―ばったん


「…? なんで閉めたの?」


不思議そうな顔をして聞いてくるユウキ。

ならお前も開けてみろってんだ。

閉めたくもなる。

なぜなら…。


―ガチャ…


「ま、まお…」


「…ふっ。どうせ…どうせまおにはお母さんになる資格なんて…。ふっ…。どうせ…どうせまおには琥珀達のママの資格なんて…。ふっ…。どうせ…どうせまおにはかえくんの奥さんの資格なんて…」


…ひたすらブツブツと呟きながら、部屋中を暗い雰囲気で包み込み、かつなぜか筆記用具を片っ端から投げつける真裕が、そこにはいたからだ。