『ぐすん』
「大丈夫だっつーのに。もう泣くなよ?」
『うんー…』
「それから、暖かくてもそのままの格好で出るなよ。ちゃんと羽織れ。涙拭けよ。携帯忘れんな? 財布もだぞ。あと琥珀も忘れんなよ。いいな?」
『はぁい』
「よし。行っておいで」
『うんっ。…琥珀大丈夫? おいでー…』
琥珀に話しかける声が聞こえながら、電話は切れた。
早めに帰ったほうがいいな…今日は。
……今日もか。
「ねえ、本当に今の奥さんなの…? なんか…バカにしてるか子ども扱い…」
「間違いないな」
「え、そうなの?Σ」
「真裕なんて?」
「琥珀が怪我したとかで泣きついてきた」
「怪我って…」
「机から滑り落ちたときにぶつけただけらしいから、まあ大丈夫だ。…死にゃしねえ」
「冷たいΣ なんか冷たいΣ」
「春樹…あんたって突っ込み好きだねぇ」

