「本来学生なんだから仕方ないだろ」
「本来の学生と違って仕事もあるんだよバカ野郎」
「そりゃ藤峰家の51代目なんだから、本来の学生なわけないだろ」
「今お前本来学生だっつったろ」
「そりゃ本来ならって意味で…」
「……本来本来本来。…なぁに朝っぱらから二人して。仲がいいのね❤」
「おっ…とぉΣ」
「お前…どこからわいてくんだよ…」
俺とユウキの間にひょっこり出てきた真裕。
こいつの父親譲りの神出鬼没さには慣れたとはいえ、驚くものは驚く。
「いってらっしゃい❤」
「ああ…うん…」
笑顔で手を振る真裕を背に、俺達は家を出た。
「朝からもう疲れた顔してんじゃん」
「あいつ今日は元気な日なんだよ。六時には叩き起こされた」
「…なんのために」
「こっちが聞きたい」
体調がいいに越したことはない。
ないが……できれば俺を巻き込んでほしくはない。
ないが……あいつは俺の寝ている姿に不安を感じる。
トラウマを克服するまでは仕方ないか…。
「あんたもなかなか我慢強いなぁ…」
「並みの辛抱強さじゃ真裕とはまともに付き合えん」
「辛抱強さだけじゃ絶対ダメだ」
「……そう考えると自分がなかなか器のでかい人間に思えてくるな」
「自信持っていいと思うぜ」

