「落ち着いてきたか?」
「うん…」
「お前なにやってた?」
「え…?」
数十分後、かえくんがそう聞いてきた。
あたし思わず聞き返す。
「切迫早産」
「……」
「また…寝てなかったな?」
わ…まずった。
「いつからだ? 何日まともに寝てない? ちゃんと食ってたのかコラ。ああ?」
「いや…あの…ずっとちゃんと…寝てますけど…? …ってこっちを見なさいよΣ」
ええ!? 最終的に聞いてない!
むしろ坂本さんに聞いてるんだけど!
「楓様がおうちに帰ってこられなくなった十日ほど前から、早朝までお仕事をされているようでした。小一時間ほど仮眠をとられた後、お茶だけ飲まれてまたお昼までお仕事を。休憩をとられてはと何度も申しましたが、そのたびに『お茶を持ってこい』と仰られて。わたくし泣く泣くお茶をお出しいたしましたの」
「ほお…?」
あ"…。
「三時になると琥珀ちゃん達と戯れながらデザートをお口にされ、その後また小一時間ほど仮眠をとって夜までお仕事を。時々九時頃に軽食を召し上がり、そのまままた早朝までずっとお仕事をされる日々でございました。わたくしもう、心が痛んで仕方がありませんでしたわ! 何度楓様に申しあげようかと…。ですが真裕様に『連絡したらただじゃおかない』と旦那様お気に入りの日本の古伊万里の食器を投げつけられまして…」
「ほお」
「あ、あのいや…坂本さんは大袈裟なの! だから違…」

