日本人の女ってのは大体あんなものだ。
もっとすごいのを見慣れているせいか、もうどうでもいい。
「それはあれだ。真裕欠乏症のせいだ」
「あ?」
「だってこの二週間まともに会ってないんだろ? それからだよあんた、機嫌悪かったり時々抜けてたりすんの」
「……」
…そうだっただろうか。
いや、絶対こんなとこに放り込まれたせい…。
…いやまあ、正当な理由ではあるものの…。
「今日家帰るんだろ? 真裕でも想像しながら耐えろ」
「変な言い方すんじゃねえよΣ」
人を変態みたいにこの野郎。
「で、おい。これはいつ帰れるんだ」
「あと三時間後かな」
三時間ね…。
もうすでに三時間はここにいる気がするがな。
「特に有名な音大ってわけじゃないからさ。今までほどは神的に崇拝されないと思うぜ?」
「神的に崇拝されてたのか」
「かなりな」
…どんなだよ。
そう思ったのは俺だけだろうか。

