――それから二週間。
俺は今、自分の状況に吐くほど嫌気がさしている。
「つーかなにも俺と同じ教室じゃなくても…」
「誰が貴様といたくてここにいるか」
「…口調変わってんじゃねーか」
『星野楓…』
『実在したんだ』
…その反応はおかしいだろうが。
結局俺は、ユウキの留学先の大学に行かされていて。
久々に人の注目の的になっているわけだ。
まあ…日本人ほど大騒ぎをしないだけマシなのかもしれな…。
「ちょちょちょっ…咲乃っ、咲乃っ」
「落ち着けば?」
「ほんとだぁ。本物だねぇ」
……いんのかよ。日本人。
「ほんとだぁってアンタねえ」
「うん…でも結美ちゃんこそ静かにしないと、なんかほら。怖いよ?」
「誰が」
「彼が」
「……星野楓?」
「そう。誰が見ても分かるくらい不機嫌」
「いや…それ聞こえてたらその方が怒られるんじゃね?」
……。
「…だってさ。怒んの?」
「知るか」

