―――……
「お帰りなさいませ」
「琥珀たんただいま❤」
「おい…」
夕方五時、やっと帰宅。
結局服も買ってあれも見たいこれも見たいと言っては帰りを伸ばし延ばしにし、ようやく満足したようだった。
「…おい」
「あ、野木さんありがとう。持ーって❤」
「あーはいはい…」
荷物……服だけのはずじゃねえのか。
もしくはほんの小物だろ。
なんなんだよこの量は…。
半ば呆れ気味に、野木さんから荷物を受け取った。
「紅葉さんいい子してたかな?」
「おいっつってんだろ」
「あっ、梨音ちゃんがご機嫌だわ~。よかった~。いじめられなかったのねえ」
「その安心の仕方はどうなんだよ」
…まあ、多少気性の荒い紅葉が、大人しい梨音にちょっかいを出すことはしばしばあるわけだが…。
「おい聞いてんのかよアンタらΣ」
「なにさっきから。うっさいわねー」
「は!?Σ あんたがこいつら押し付けていくから、俺は大変だったんだぞおい」
「まあそれはありがとう。ご苦労様、おやすみ」
「早いわΣ」

