秘密のMelo♪y⑦*完結編㊤*


そこへ、少し遠慮がちに…困ったような笑顔を浮かべた坂本さんが、トレーを持って声をかけてきた。

様子からして今来たというわけじゃなさそう。

入り損ねていたのね。


「ごめんごめんありがとう」


「い、いえ。わたくしこそお邪魔致しまして…」


「なにを?」


「え? あ、い、いえ! それより琥珀ちゃん達楽しそうですわねぇ。おほほほほっ」


「んー? そうだねぇ。ここの中庭に連れてくるの、初めてだからねぇ…」


のほほんと琥珀達を見つめながらも、目の端にしっかりとらえているかえくんの姿。

めちゃくちゃ優雅にカップを手にし、これまた美しく口に運ぶ様は、それはもうこの世のものとは思えなかった!


「…?」


「素敵…❤」


「……」


…二度見されたかと思えば、思わず口をついた言葉にドン引きされた…!

しかもあからさま! ひどい!


「ああ…いいわ。かえくんのひどさがこうも露見するのも幸せの証拠…❤」


「どういう意味だコラ」


ううんいいの…気にしないで?

ただわたし……あなたのそういうところも愛してるって話…!


「…坂本さんみわ先生を呼ん…」


「失礼な!!Σ 春の暖かさにちょっとテンション上がっちゃっただけでしょうが! それをなにっ、ヤバい方行っちゃったみたいな…」


「そりゃお前はいっつもテンションおかしいけどな」


「こらこら。テンションおかしいとか愛する妻に言っちゃいけないんだよ」


「愛してるからこそだが?」


愛してるって言われた…!

……いや惑わされるなあたしーっ!!