―――……
みなさんこんにちは。
真裕ですよ。
あの事故から五ヶ月が過ぎました。
今のあたし達はというと…。
-ピッ
『…すので、藤峰家の五十二代目ご当主となられる御子であるということになりますね』
『ご夫妻はあの大事故に遭われましたが、その時は…』
-ブツッ
「…って暇なのみんな!? 暇なの!?」
「落ち着け」
え、だって…言いたくもなるわよ?
六ヶ月を迎えたあたしは、さすがに妊娠を公表していた。
てか父様が。
しかしそのせいで、連日まあどのチャンネルでもどこの国でもその話題ばっか。
おまけにパリの本邸やあちこちの別荘に取材陣が押しかけているらしい。
幸いここの場所はまだ知られていないため、今は平和なものだ。
「ていうかお前、それもうやめろって」
「どうして?」
「あのなぁ…」
「別にもう大丈夫よ。それにデスクワークじゃない」
「朝からずっとしっぱなしだろ?」
ん…まあ、そこは否定しようがないけど…。