拓人が美希に告白をした日から2年の月日が経った。
「拓人。明日は、あれから3度目のクリスマスだよ。今年は受験だからあんまりうかれていられないんだけどね。2年前の今日拓人に気持ちを伝えるつもりだったんだよ。あの時の告白はまだ有効かな?」
目の前でひたすら眠り続けている拓人に、明るく話しかける美希。
「あら、美希ちゃん。来てたのね」
「あ、早苗さん、お邪魔してます。今日の拓人は顔色もいいし、元気そうですよ。今にも起き出しそう」
美希は腰かけていたパイプ椅子から立ち上がり、部屋に入ってきた拓人の母、早苗(さなえ)に一礼すると笑顔で話した。
「本当ね。まったくいつまで寝てるつもりなのかしら。早く起きないと美希ちゃんを誰かに取られちゃうぞーー」
拓人の耳元でそんな風に囁いている早苗にのっかり、美希は自分も「そうだぞーー」なんて冗談っぽく小声で叫んだ


